平田 圭吾のページ

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学問のすすめ

『学問のすすめ』現代語訳14 個人としては立派な人物なのに、組織になると愚者になる

四編2 一国の文明は独り政府の力をもって進むべきものに非ず 最近の我が国の状況を察して、外国に劣っていると思われるものは、学術、商売、法律である。世界の文明は専らこの三者に関するもので、この三者が備わっていないようでは、国が独立の地位を得てい…

『学問のすすめ』現代語訳13 政権への一番の刺激は選挙

四編1 学者の職分を論ず 最近、識者の意見をひそかに聞いていると、「今後の日本の盛衰は、人智では簡単には察することはできないとはいえ、今の独立の地位を失うような憂き目にあうことは到底ないであろう。また、このごろ目撃しているところの勢いによって…

『学問のすすめ』現代語訳12 虎の威を借る狐ーー国民の主権を盗む政治家

三編4 第三条 独立の気力がない者は、人に頼んで悪事をすることがある。 旧幕府の時代には名目金と言って、御三家と言われる権威の強い大名の名目を借りて金を貸し、随分無理な取引をしていたこともあった。このことは甚だにくむべきことである。自分の金を…

『学問のすすめ』現代語訳11 卑屈をやめて一人でも立ち上がること

三編3 第二条 内に居て独立の地位を得ることができないものは、外に在って外国人と接するときもまた、独立の権利を発揮することはできない。 独立の気力がない人は必ず人によりすがる、人によりすがる人は必ず人を恐れるが、人を恐れる人は必ず人にこびへつ…

『学問のすすめ』現代語訳10 人頼みの責任転嫁が国をダメにする

三編2 一身独立して一国独立すること 前に述べたように、国と国とは同等であるのだけど、国中の人民に独立の気力がないときは一国の権利を思う存分発揮することはできない。その次第は次の三カ条である。 第一条 独立の気力なき者は、国を思うこと深切ならず…

『学問のすすめ』現代語訳9 日本屈辱の歴史である不平等条約は頭が弱いから押し付けられた

三編1 国は同等なること おおよそ、人という名さえあれば、富んでいても貧しくても、強くても弱くても、人民でも政府でも、その権利(権義)において異なることがないということは、第二編に記したところである。(二編にある権理通義の四文字を略して、ここ…

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『学問のすすめ』現代語訳8 無学文盲の馬鹿者がマスコミをマスゴミにする

二編4 人を取り扱うにはその相手次第にて このような悪い風習(幕府に盲目的に従い、幕府の当たり前の役割を「御恩」とありがたがる風習)ができた理由を考えてみる。すると、その根本は、人間は同等であるという大事な基本を見誤って、貧富強弱と言った有様…

『学問のすすめ』現代語訳7 なぜ国民は政府に従わなければならないのか

二編3 政府と人民との間に見苦しきことあり 今まで述べた議論を世の中のことに当てはめてみる。すると、旧幕府の時代には、士(侍)とその他の民との身分の差が甚だしくて、士族はみだりに権威を振るい、百姓や町人への扱いはまるで罪人を扱うかのようであり…

『学問のすすめ』現代語訳6 差別と区別

二編2 人は同等なる事 初編のはじめに、人は万人が同じ身分であり、生まれながらにして上下の差別といったものはなく自由自在云々とある。今、この意味を押し広めて述べようと思う。 人が生まれることは天によってだけ決まることで、人の力ではどうすること…

『学問のすすめ』現代語訳5 文字は学ぶための道具

二編1(端書) 学問とは広き言葉にて 学問とは広さのある言葉で、無形の学問もあれば、有形の学問もある。心学、神学、理学などは形の無い学問である。天文、地理、究理、化学などは形のある学問である。しかし、いずれもの学問も全て、知識や見聞の領域を広…

学問のすすめ 現代語訳 広告ページ(初編)

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『学問のすすめ』現代語訳4 愚民の上に暴政府あり

初編4 一身も一国も不羈自由 今までも述べた通り、人の一身も一国も、天の道理に基づいて不羈自由(不羈:しばりつけられないこと)であるからには、もしも、この一国の自由を妨げようとするものがあるならば、世界万国を敵としても恐れるに足らず、この一身…

『学問のすすめ』現代語訳3 自由とわがまま勝手の違い

初編3 学問をするには分限を知ること肝要なり 学問をするためには、分限というものを知ることが重要だ。そもそも人は生まれつきに繋がれたり縛られたりするようなことはなく、一人前の男は男、一人前の女は女であって、自由自在の者である。とはいうものの、…

『学問のすすめ』現代語訳2 教養よりも実学、だが、それではAIに負ける

初編2 学問とは実なき文学を言うにあらず 学問というものは、ただ難しい字を知って、理解するのが難しい古文を読み、和歌を楽しんで、詩を作るなどといったような、実のない文学をいうものではない。これらの文学は、人の心を楽しませて随分よろしいものでは…

『学問のすすめ』現代語訳1 「学問のすすめ」の主旨は悪なる自己責任論

初編1 天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず 「天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず」と言われる。そうであるならば、天から人が生ずる以上、万人が万人みんな同じ身分のはずで、生まれながらにして貴い賤しい(身分が高い低い)といった差別…

『学問のすすめ』現代語訳 まとめ (無料)(全訳)(解説付き)

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