平田 圭吾のページ

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武経七書

翻訳本 六韜 少しずつ紹介8『犬韜』

犬韜 ダイジェスト(要約) このブログ記事の目次と『六韜』全文(販売のみ)はこちら 分合第五十一 会戦を期す 遠く離れた各隊を招集して一気に片を付ける。 各隊を一斉に集める方法とは。 武鋒第五十二 撃つべき敵 「勝てる敵に勝つ」孫子でも繰り返される…

翻訳本 六韜 少しずつ紹介7『豹韜』

豹韜 ダイジェスト(要約) このブログ記事の目次と『六韜』全文(販売のみ)はこちら 林戦第四十三 林での戦術 林の中での戦い方が語られる。 突戦第四十四 城を囮とする 城下に迫った敵兵、また後ろに控えている大軍をどう迎え撃つのか。 真田幸村の「真田…

翻訳本 六韜 少しずつ紹介6『虎韜』

虎韜 ダイジェスト(要約) このブログ記事の目次と『六韜』全文(販売のみ)はこちら 軍用第三十一 兵器の大数 戦争に持っていく兵器、野営のための道具、敵を足止めする罠。 36種類の武器兵器とその数について詳細に語る。 三陣第三十二 天陣地陣人陣 陣を…

翻訳本 六韜 少しずつ紹介5『龍韜』

龍韜 ダイジェスト(要約) このブログ記事の目次と『六韜』全文(販売のみ)はこちら 王翼第十八 兵事の人材配置 戦に欠くことのできない人材とその役割 「将に股肱羽翼七十二人有り。」 十八種類の役職とその具体的役割が明らかに。 論将第十九 五材十過 …

翻訳本 六韜 少しずつ公開4『武韜』

武韜 ダイジェスト(要約) このブログ記事の目次と『六韜』全文(販売のみ)はこちら 発啓第十三 天下は天下の天下なり 「天道に殃(わざわい)無ければ、先んじて倡(とな)うべからず。人道に災い無ければ、先んじて謀るべからず。必ず天殃(てんよう)を見て、…

『六韜:兵法 武経七書』の紹介

ネット書店で電子書籍を購入する 『六韜』の概要 こちらは、書き下し文付きの全訳となっておりますので、安心して読んだいただけます。 「虎の巻」は『六韜』から出た言葉 秘伝書や奥義書のことを「虎の巻」と言うことがあります。この有名な言葉は、もとも…

翻訳本 『六韜』 少しずつ紹介3『文韜』

文韜 ダイジェスト(要約) このブログ記事の目次と『六韜』全文(販売のみ)はこちら 文師第一 太公望を師とす 文王と太公望が出会い、 太公望が「其(そ)れ魚は其の餌を食えども乃(すなわ)ち緡(いと)に牽(ひ)かる。人は其の禄を食えども乃ち君に服す。」と…

翻訳本 六韜 少しずつ紹介2「六韜とは」

六韜の著者 この『六韜』の作者とされるのは、周の文王、武王に仕えた太公望呂尚とされています。また、「柔能く剛を制す」で有名な『三略』も太公望の作とされていますから、三略と六韜は並び称されることも多くあります。 漢の始祖である劉邦の軍師であっ…

翻訳本 六韜 少しずつ紹介1「はじめに」

はじめに この『六韜』は、三国志の劉備が死の間際に、「よく読むように」と言ったことで有名です。また、よく言われる「虎の巻」も、この『六韜』に「虎韜」という「巻」があることから言われるようになったものです。 この言葉が有名であることからも分か…

『三略:兵法 武経七書』の紹介

定価は250円と大変お求めやすくなっております。 KindleもしくはGoogle Play Booksを読む環境のある方は、写真下のリンクよりご購入いただき、是非ともご一読ください。 ネット書店で購入する 『三略』の概要 書き下し文付きの全訳となっておりますので、 安…

翻訳本 三略 少しずつ紹介5 「天地流転」

《天地流転(るてん)》 ◆書き下し文◆ 端末(たんまつ)未(いま)だ見ずして、人は能(よ)く知る莫(な)し。天地は神明にして、物とともに推(お)し移り、変動に常無し。敵に因(よ)りて転化し、事先を為(な)さず、動き而(しか)して輒(すなわ)ち随(したが)う。 故(ゆ…

翻訳本 三略 少しずつ紹介4 「剛柔強弱 その1」

三略で最も有名と思われる一節「柔よく剛を制し、弱よく強を制す」について書かれた部分です。三略は深遠な言葉で奥深いことを述べる書です。ここだけでは意味が分からないかもしれませんが、三略の良さは感じ取っていただけると思います。 《剛柔強弱 その…

翻訳本 三略 少しずつ紹介3 「主将之法」

上略 其ノ一 剛柔強弱天道自然 《主将之法》 《剛柔強弱 その一》 《天地流転》(⇐ここまで公開します) 《微守保生》 《剛柔強弱 その二》 《四肢腹心》 《天道自然》 《主将之法(しゅしょうのほう)》 ◆書き下し文◆ 夫(そ)れ主将の法は、務(つと)めて英雄の…

翻訳本 三略 少しずつ紹介2 「三略とは」

『三略』について 作者とされるのは、周の文王、武王に仕えた太公望呂尚とされています。また、三国志において劉備が遺言で「よく読むように」と言った『六韜』も太公望の作とされていますから、三略と六韜は並び称させることも多くあります。 この『三略』…

翻訳本 三略 少しずつ紹介1 「はじめに」

はじめに この『三略』で最も有名な句と言えば、「柔能く剛を制し、弱能く強を制す」の一節でしょう。この言葉は、日本においてもかなり有名な言葉ですが、もともとこの『三略』にある言葉です。 また、この言葉が有名であることからも分かるように、この『…

『司馬法:兵法 武経七書』の紹介

ネット書店で電子書籍を購入する この『司馬法』は、『兵法武経七書』として古くから日本でも親しまれております。 また、著者とされる司馬穰苴(しばじょうしょ)は、史記の記述から推測すると『孫子』の著者である孫武よりも古い時代の人物です。 そのよう…

翻訳本 司馬法 少しずつ紹介4 「人を愛して戦を忘れず」

《民を愛す》 ◆書き下し文◆ 内に愛を得るは、守る所以(ゆえん)なり。外に威を得るは、戦う所以なり。 戦の道、時を違わず、民の病を歴(へ)ざるは、吾が民を愛する所以なり。喪(も)を加えず、凶に因(よ)らざるは、夫(そ)れ其(そ)の民を愛する所以なり。冬夏(…

翻訳本 司馬法 少しずつ紹介3 「戦の五徳」

《戦の五徳》 ◆書き下し文◆ 故(ゆえ)に、仁は親しまれ、義は説(よろこ)ばれ、智は恃(たの)まれ、勇は方とされ、信は信ぜらる。(仁は親に見(あら)われ、義は説に見われ、智は恃に見われ、勇は方に見われ、信は信に見わる。) ◆現代語訳◆ 仁の徳が己にあれば…

翻訳本 司馬法 少しずつ紹介2 「なぜ戦うのか」

《なぜ戦うのか》 ◆書き下し文◆ 古(いにしえ)の者は、仁(じん)を以(も)て本(もと)と為(な)し、義を以て之(これ)を治む。之を正と謂う。 正にて意を獲(え)ざれば則(すなわ)ち権(はか)る。権るは戦いに出るも、中人(ちゅうじん)に出(い)でず。 是(こ)の故(ゆえ…

翻訳本 司馬法 少しずつ公開1 「はじめに」

例によって、電子書籍では前半の10%までサンプルとしてダウンロードできますので、その部分を公開します。 はじめに この『司馬法』は、『兵法武経七書』として古くから日本でも親しまれております。徳川家康や織田信長をはじめとした戦国時代の英雄たちも…

『魏武帝註 孫子』の紹介

価格は、コーヒー1杯、携帯ゲームのガチャ1回程度です。 写真の下のリンクからどうぞ ネット書店で電子書籍を購入する 魏武帝註釈孫子の概要 言わずと知れた兵法書『孫子』 その『孫子』に、三国志で有名なあの乱世の奸雄、曹操が註釈を入れたとされるのが、…

翻訳本 魏武帝註孫子 少しずつ公開4 『始計第一』

【かっこ】の用法が分からないと意味が分かりません。前回の記事を参照してください。 始計第一 【計(けい)とは、将を選び敵を量(はか)り、地を度(はか)り卒を料(はか)り、廟堂(びょうどう)において計(はか)るなり。(計者、選将量敵(せんしょうりょうてき)…

翻訳本 魏武帝註孫子 少しずつ公開3 『この本の読み方』

魏武帝註 孫子: 兵法武経七書 Kindle版 魏武帝註 孫子 - Google Play の書籍 この本の読み方 《凡例・【すみ付きカッコ】と(カッコ)について》 この『魏武帝註孫子』は、『孫子』に曹操が注釈を入れるという形で書かれています。漢文の伝統的な注釈方法で…

翻訳本 魏武帝註孫子 少しずつ公開2 『魏武帝註孫子序』

この「魏武帝註孫子序」は 、曹操が『孫子』に注釈を付けるに当たって書いた部分です。今の本で言うならば「はじめに」に当たる部分と言えるでしょう。 ※曹操が書いたとされる部分を公開します。また、いやらしいやり方ですが、せめてサンプル版をダウンロー…

翻訳本 魏武帝註孫子 少しずつ公開1 『はじめに』

魏武帝註 孫子: 兵法武経七書 Kindle版 魏武帝註 孫子 - Google Play の書籍 はじめに あまりにも有名ですから、説明の必要はないかもしれませんが、『孫子』は、兵法書です。兵法書とは、戦争のやり方を書いた本のことです。例えば、『孫子』の英訳本の題名…

呂布と曹操(曹操は語る) 魏武帝注孫子翻訳に当たって6

呂布と曹操といえば、劉備中心に描かれている三国志演義では、最強のボスキャラと言っても過言ではないでしょう。 この2人の大ボスキャラについて、片方の当事者である曹操が、「魏武帝注孫子」で非常に意味深な発言をしております。 この部分はあまりにも面…

曹操の得意な戦術とは? 魏武亭注孫子翻訳に当たって5

今回は、曹操の注から読み取れる曹操の戦術について考えてみます。 魏武帝註 孫子: 兵法武経七書 Kindle版 魏武帝註 孫子 - Google Play の書籍 孫子の兵勢第五には、「其の勢は険にして、其の節は短し。」とあります。『孫子』を読んだことがある方は、ご存…

そもそも魏武帝注孫子ってどんな本? 魏武帝注孫子翻訳に当たって4

もっと早く記事にしていれば良かったのですが、今回は、魏武帝注孫子がどんな本かについて説明します。 魏武帝註 孫子: 兵法武経七書 Kindle版 魏武帝註 孫子 - Google Play の書籍 そもそも、あの有名な兵法書『孫子』は、紀元前535年に生まれたとされてい…

曹操はなんで孫子に注をつけたのか? 魏武帝注孫子翻訳に当たって3

今回記事にすることは、全く個人的な意見であり、何の根拠もないことです。けれど、長い間同じ本に向き合っていれば、その本を書いた人の気持も見えてくるものです。ですからそれが根拠です。 魏武帝註 孫子: 兵法武経七書 Kindle版 魏武帝註 孫子 - Google …

本当に曹操が書いたの? 魏武帝注孫子翻訳に当たって2

『魏武帝注孫子』は、孫子に曹操が注釈をしたものと伝えれていますが、それは本当に曹操が書いたものなのでしょうか? 魏武帝註 孫子: 兵法武経七書 Kindle版 魏武帝註 孫子 - Google Play の書籍 そもそも曹操が生きた時代は、今から二千年近く前のことです…