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魏武帝注孫子 翻訳開始

呉子の翻訳も終わり、次は、孫子を翻訳することとしました。しかし、孫子は現行本が多く、私のようなヒヨッコは出る幕はないように思われます。

とはいえ、思いついてしまったのです。

 

「そういえば、武帝は有名だけど、書き下し文すら見たことがないなぁ」と。

 

そこで今回は、この武帝孫子を書き下し文にし、翻訳することとしました。

武帝孫子を読むということは、「三国志で有名なあの曹操から、直接に孫子の指導をしてもらえる」ということになります。三国志に興味のある方には、たまらないかと思います。もちろん、私としても曹操の注には大変興味があります。

 

本日、「魏武帝孫子序」の書き下し文ができましたので、こちらに公開します。本日から翻訳を開始しましたし、資料が乏しいことも考えますと、発売は2ヶ月後かそれ以降になるかと思います。

 

もちろん、私の他の電子書籍をみなさんが買ってくだされば、やる気も出ますし、先の心配も減り、他の仕事をしなくてもよくなりますから、翻訳作業は早く済むかと思います。こちらのご支援も何卒よろしくお願い申し上げます。

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発売されました(下のリンクからどうぞ) 

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武帝孫子序(曹操筆) 

 

3.11ご指摘により、一部訂正しました。(かっこ)での同じような文章の繰り返しは別の読み方です。

 

操聞く、上古(しょうこ)に孤矢(こや)の利有りと。

論語に曰く、兵足ると。

尚書(しょうしょ)八政に曰く、師と。

易に曰く、師は貞にして丈人なれば吉なりと。

詩に曰く、王は赫(かく)として斯(これ)怒る、ここに其の旅を制すと。黄帝湯武は、咸(かん)じて(咸(みな))干(ほこ)戚(まさかり)を用い、以て世を済(すく)うなり。

司馬法に曰く、人故(もとより)人を殺す、之を殺して可なりと。武を恃(たの)む者は滅び、文を恃むものは亡ぶ。夫差(ふさ)・偃王(えんおう)(夫(そ)れ偃王(えんおう)の差(たが)う)は是(こ)れなり。聖人の兵を用うるは、戢(おさ)めて時に動き、已(や)むを得ずして之を用う。


吾(わ)れ兵書戦策を見ること多し。孫武の著(あらわ)す所は深し。審(つまび)らかに計(はか)りて重く挙げ、明らかに尽くして深く図(はか)り、相い誣(し)うべからず。而して世人未だ之を深く訓説し亮(あき)らかにせず。

いわんや文は(況文(きょうぶん))煩(わずら)わしく富み、世において行われる者、其の旨要(しよう)を失う。故に撰(えら)びて略解を為す。

 

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