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翻訳本 三略 少しずつ紹介1 「はじめに」

 

はじめに

 

 この『三略』で最も有名な句と言えば、「柔能く剛を制し、弱能く強を制す」の一節でしょう。この言葉は、日本においてもかなり有名な言葉ですが、もともとこの『三略』にある言葉です。

 また、この言葉が有名であることからも分かるように、この『三略』は、『武経七書』として、日本の数々の武人や武将にも愛読されてきたものです。成立年代は春秋戦国時代の末期ということで、三国志の英雄たちも、この『三略』に親しんでいたことは間違いありません。

 このように、数々の英雄に愛されてきた『三略』ですが、内容としましては、「兵法書」と言うよりは、「政治指南書」と言うべきものとなっております。このため、『孫子』に似ていると言うよりは『韓非子』に似ていると言えます。また、柔や弱で剛や強を制するということから、思想面から言えば、『論語』と言うよりは、『老子』と言うこともできます。

 内容は大変奥深く洗練されており、読み応えのあるものです。そういった意味でも、この『三略』を読みこなせるか、使いこなせるかは、読み手さま次第であります。

 

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