翻訳本 六韜 少しずつ紹介2「六韜とは」
六韜の著者
この『六韜』の作者とされるのは、周の文王、武王に仕えた太公望呂尚とされています。また、「柔能く剛を制す」で有名な『三略』も太公望の作とされていますから、三略と六韜は並び称されることも多くあります。
漢の始祖である劉邦の軍師であった張良が、黄石公という隠者からこの『六韜』と『三略』を授けられたという伝承もあるため、著者、または編者は、この黄石公という隠者であるとする説もあります。
六韜の構成
この『六韜』は、文韜・武韜・龍韜・虎韜・豹韜・犬韜の六つの編から構成されているため、『六韜』であります。「韜」は、辞書を引きますと、「弓や剣を入れておく袋・つつむ・つつんでしまいこむ」とあります。兵法書であることから、書かれていることを武器に見立て、これを六つの袋にしまいこんだから、六韜ということでしょう。
書き方としては、文王または武王の質問から始まり、これに太公望が答える対話式となっています。また、ひとつの「韜」の中には、五~十三の章があり、章ごとにまとまりのあるひとつのことが書かれています。もともと章ごとに、漢字二文字~四文字の章題があるのですが、これだけでは内容がよくわからないため、私のほうで章ごとにサブタイトルを考え、これを目次に反映しました。すべての章が、◆書き下し文◆・◆現代語訳◆・◆解説◆から構成されております。
※一章が長いことから、このブログでは、六韜の章ごとの内容を簡単にまとめた文と、またそこに出てくる抜粋文を紹介させていただきます。