平田 圭吾のページ

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『小さな会社を強くする ブランドづくりの教科書』(日本経済新聞出版社)を読んで

いわゆるマーケティングの本、こういった本は初めて読んだのだけど、面白かった。
記述も簡素平明で、章分けも一章当たり10分以内に読めるようになっており、大変に読みやすい設計となっている。
「いいものを作っているのに売れない」という悩みのある経営者や、「商品はいいのだけど売れない」という悩みのある営業の方は、読むとかなり役に立つ、まさに教科書にできる本と思う。
あるいは、このどちらにも該当しない一般的な消費者でも、「いかにブランド力で(高いものを)買わされているか」という視点から読むと、面白いと思う。

ブランドとは何か?

まず、ブランドとは、そもそも何だろうか。そのように考えた時、ブランドとブランドでないものの違いは、恐らくこの三つの違いに集約されるだろう。
つまり、「富士山と北岳」の違いであり、「スターバックスとイル・ジョルナーレ」の違いであり、「北海道・沖縄と佐賀・群馬」の違いである。

 

ブランドはナンバーワン

富士山は日本一高い山で誰でも知っている。しかし、北岳は日本で二番目に高い山であるにも関わらず、知っている人は少ない。観光客の量の違いは言うまでもない。

 

ブランドは覚えやすく言いやすい

イル・ジョルナーレは、実はスターバックスの昔の名前である。しかし、誰も知らないし、噂にする人もいない。なぜなら、あまりにも覚えにくい名前だからである。

 

ブランドにはイメージがある

北海道物産展は、開くたびに客が集まり、桁違いの経済効果をもたらすが、佐賀物産展などというものは聞いたことすら無い。万が一開かれたとしても、客は集まらないだろう。
また、沖縄への旅行は、海外旅行よりも高い場合が多いが、それでも行きたいという人は後を絶たない。しかし、群馬への旅行が海外旅行より高かったら、誰も行かないだろう。
なぜこのようなことが起こるのかと言えば、北海道には「おいしい」というイメージが、沖縄には「南国リゾート」というイメージがそれぞれ内包されているからである。

 

まとめ

ブランドとは、この三つの違いをうまく演出したものに他ならない。だから、この三つの違いを意識してマーケティング戦略を立てれば、ある程度売れることを期待できるわけである。
この本では、こういった非常に分かりやすい例えを用い、うまく、また的確に「ブランドづくり」を説明している。もちろん、どうやってこの三つの違いを際立たせ、ブランドをつくっていくのかということも、微に入り細に入り説明されている。
冒頭にも述べたような悩みのある方は、すぐに読むことをオススメする。

 

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