平田 圭吾のページ

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『李衛公問対:兵法武経七書』の紹介

こちらの『李衛公問対』は、唐勃興の名君として名高い唐太宗と、その臣下で中国歴代の名将として名高い李靖(李衛公)の問答形式による兵法書です。日本でも『兵法武経七書』の一として古くから親しまれております。

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大まかな内容

孫子』の「奇正虚実」といった難しい概念に関する解説などが5割程度、
三国志などでおなじみの「八陣」など当時の陣立てに関する話が3割程度、
残り2割程度がその他人物評などとなっております。

孫子が当時具体的にどのように運用されていたのか分かること、
八陣法といった陣形に関する具体的な話があること、
この二つの点は他には見られない貴重な内容と言えます。

全体的に非常に難解な書として間違いないでしょうが、その分読み応えもあると言えます。

 

構成と目次

本書は、問対上・問対中・問対下の三編構成ですが、
私の方でさらに三つに分け、内容に応じて適宜章分けし、さらに副題を付しました。
編集方法としては、原文(白文)なし、書き下し文つきの全訳となっております。
また、章ごとに解説もつけましたので、理解の手助けとしていただければ幸いです。


問対上 其ノ一
《正兵を以てせん》
《偏箱と鹿角》
《正兵か奇兵か》
《退却は奇兵か》
《奇正は人に有り》
《奇正は時に臨んで制す》
《奇兵は旁らより撃つ》
《分合における奇正》

問対上 其ノ二
呉子の評価》
《算少なきも算無きに勝つ》
《機を握り奇を握る》
方陣の法》
太公望の節制の師》
管仲は王佐》
司馬法について》
《兵家の三門四種》
《兵力の誇示》

問対上 其ノ三
《二広の法》
《戦車の編成》
《番漢奇正の術》
《有制の兵》
《人を択んで勢に任ず》
《中国の勢》

問対中 其ノ一
《奇正と虚実 その一》
《奇正と虚実 その二》
《奇正と虚実 その三》
《番漢の別無し》
《力を治める》
《教えるに三等あり》
《伍法と軍の編成》

問対中 其ノ二
《六花の陣法 その一》
《六花の陣法 その二》
《六花の陣法 その三》
《破陣楽の舞》
《旗の奇正》
《騎兵の運用》
《車歩騎の用兵は一法》
《開方の形》
《李靖の訓練法》

問対中 其ノ三
《五行の陣》
《兵家の陰陽》
《兵家の詭道》
《刑法は愛して後》
《愛が先で威は後》
《赤誠を推し至公を存すのみ》
《間者は繊人の用いるもの》
《主客関係を変ずる術》
《守禦の具を言うのみ》

問対下 其ノ一
《地を選ぶは人事に便とす》
《避忌を以て事宜を失す》
《縻軍(びぐん)と孤旅》
《多方以て之を誤つ》
《攻守一法 その一》
《攻守一法 その二》

問対下 其ノ二
《彼を知り己を知る》
《気を奪うの法》
崩御後に備えて》
《将の将たるか》

問対下 其ノ三
《儀式の本質》
《術数の功を成すは人事に在り》
《大勝を求めず大敗もせず》
《戦わずしてお互いに退く》
《戦うと戦わざる》
《節制の精微を知るには》
《兵を学ぶの三等》

付録:李靖の略歴

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