平田 圭吾のページ

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あけましておめでとうございます

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毎年恒例の四文字熟語抱負を今年も書いた。

今年は『三略』からとって「清静平整」ということにした。


「清く静かにして平らかに整う」ということで、
意味は、「心が清く澄んでいて静かであるならば、何事にも公平に対処でき全てのことが整い治まる」
という意味になる。


清というのは、透き通っていることであり、これが公平な対処につながる。逆に濁りがある、つまり、欲や我執によって心が濁っているなら、公平な対処ができるはずもない。
平の字は自分の名前、平田の平であるけど、この字が平凡というような感じで、昔は、あまり好きでなかった。しかし、荀子の至平という言葉を知っていから好きになった。つまり、平らかとは、公平に平等に安平にという意味であるのだ。

静かということは、波風が立っていないという意味である。静かであるならば定まるとは、大学の一節であるけど、静かであるからこそ、急なことにも対処でき、また、平常心というものもある。
逆に静かでなければ、慌ただしいということであり、自分の心が慌ただしいのに、自分の周りのことが静かになるはずもない。だから、静かであるならば整い、整うのならば治まるということになる。

三略』には、「能(よ)く清らかにして能く静か、能く平らかにして能く整い」(上略)
「民を治むるに平を使い、平を致すに清以(も)てすれば、則(すなわ)ち民は其(そ)の所を得て而(しか)して天下は寧(やす)し。」(下略)とある。


今回は上の「清静平整」を書くときに手がふるえてしまい、「清静平整」ではない字しか書けなかったけど、今年の年末には、文字通り「清静平整」な字が書けるようになりたい。