平田 圭吾のページ

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あけましておめでとうございます「謹歩結一」

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あけましておめでとうございます。

 

今年の抱負は、「謹歩結一」としました。

「謹(つつしみ)み歩んで一に結ぶ」です。

 

出典は、『荀子』の勧学第一と修身第二です。

 

まず、修身第二には、「蹞歩(きほ)して止まざれば跛鼈(はべつ)も千里」とあります。

訳は、「半歩に及ばない稚拙な歩みでも、歩みさえ止めなければ、亀ですら千里の遠きに至る」となります。

自分の未熟を知り、また人の身の限度を知り、そうであっても歩みを止めない、またそうすることで、聖人君子という仁の頂きにも至る、これが、前後の文脈も含めた意味となります。

ここから、「蹞歩」を取ったのですが、「蹞」は常用漢字でないので、これを意味の近い「僅(わずか)」とし、さらに、音の通じる「謹(慎重に、大事に)」に変えました。

ですので、「謹(つつし)み歩む」の裏の意味として、「僅(わず)かに歩むも」という意味も兼ね備えております。

これが、前半の「謹歩」です。

 

次に、「結一」ですが、これは勧学第一の「君子は一に結ぶなり(君子に無駄な歩みはなく、全てを一、つまり自身の理想につなげるのだ)」から取りました。

これは、今年が平成という元号の実質的な最後の一年になるためです。

また、人の世の世代交代は、三十年サイクルとされており、この三十年サイクルを一世と言います。

今年、平成三十年は、一世代の終わりという意味でも、まさに「結一」に相応しい年と言えるでしょう。

 

私は昭和生まれですので、平成を三十年間生きたという意味でも、「謹歩結一」と言える一年にしたいと思っております。

 

本年もよろしくお願いします^^

 

『儲かる色の選び方 売れる色を見極めるマーケティング』 (デザインビジネス選書)  を読んで

いわゆるカラーマーケティングや、カラーデザインの本。
いろいろな商品の色使いについて言及があるが、この著者の方は、携帯電話、家電、自動車などの製造に深く携わってきたようで、そういった製品に関する色使いについて、造詣が深いように思われた。

初級から熟練者まで役立つ教科書的な良著

基本的に製品を使うだけのわれわれ側からすると、手に取ることはない本であるけど、読んでみると非常に面白い。製品の色を決めるのに、こんなにいろいろ考えてるんだということがよく分かる。もちろん、そういったことに既に携わっている人でも、参考になる部分は多いだろう。同じことを扱った他の本は読んだことはないが、要点がうまく、また分かりやすくまとめられているので、入門者から熟練者の基本確認でも使える教科書的な良著といえる。

 

デザインはセンスの世界ではない

この本を読んだことで、車の色とか、何気なく使っている製品の色とかに興味を持つようになった。また、「デザインはセンスの世界」というのが単なる思い込みであるということもよく分かった。
というのも、金儲けは浅ましい行為がつきまといがちであるが、これと同時に「失敗できない」「何とか儲けたい」という理由で、モチベーションも上がりやすく、かなり効率よく不確実なものや無駄を排除していくからだ。これはつまり、当然に「センスや感性」という不確実かつ無駄を生みやすいものを排除する方向に人を動かしていく。しかし、色はどうしても感性やセンスの問題である。だから、「理論で設計して(売れそうなものウケそうなものに絞り込んで)、最終的に感性やセンスで判断するのがデザイン」という結果に行き着くのだ。この本は、この過程ややり方について要点を抑えた上で分かりやすく書かれている。

 

色は感情や願望だけで選ばれる

また、色というのは、「感情や願望だけで選ばれるもの」ということで、これも考えたことはなかったが、言われてみてそうだなぁと思った。また、これがわかったことで、前から一個不思議に思っていたことの謎も解けた。

 

アニメキャラの髪の毛の色はどうしてあり得ない色なのか

その謎というのは「女の子アニメキャラ」の髪の毛の色についてである。女の子アニメキャラの髪の毛の色は、とにかく現実ではありえない色、紫とか緑、あとピンクが並ぶ。もっと極端に言えば、アニメファンには怒られるかもしれないが、興味のない私からすると、女の子アニメキャラの違いは、髪の毛の色も含めた髪型だけのようにしか見えない。だから、女の子アニメキャラの髪の毛の色を変えるのは、「キャラを見分けるため、キャラの違いを分かるようにするため」だと思っていた。
しかし、この本によると、色はその人の願望や感情によって選び取られるということで、まさにそういった理由で、髪の毛の色を現実ではあり得ない色からも選んでいるのだと分かった。多分、色が人に与える印象もよく考慮した上で、キャラの性格も決まっているのだろう。

 

この本を読んで売れる色を見極めたマーケティングをする

 

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『経営者のためのウェブブランディングの教科書』(幻冬舎) を読んで

いわゆるマーケティングの本。
会社や団体その他のホームページを作る際、ブランディングも意識したホームページを作ったほうがいいことが述べられている。また、そのようなホームページはどのようにしたらデザインできるのか、ということについても書かれている。
ホームページを作ろうかと迷っている会社や団体、あるいは、既にあるホームページをリニューアルしようと思っている会社や団体には役に立つだろう。

ホームページの重要性

現代において、「ホームページがとりあえずあればいい」という考え方は、かなり危うい。というのも、猫も杓子もスマートフォンの現代では、第三者が、その会社や団体について知ろうとする時、まず間違いないくホームページを見るからである。

客の立場からすれば、そこの商品を買おうか迷っているのに、ホームページが存在しない、あるいは、ホームページが会社のイメージとかけ離れているということならば、商品は購入しないだろう。

また、採用という観点からも、これから就職しようとする人、または社内で転職を考えている人も、その会社のホームページはとりあえずは見てみるものだ。ここでホームページに違和感や適当さを覚えれば、必ずやその人は、別の会社を探すだろう。

こういった意味で、ホームページの存在意義は現代においてかなり大きい。
この存在意義の高いホームページを、少し意識高めに作っていこうというのがこの本の言わんとすることだ。

 

ブランディングとは

また、企業や団体のイメージを固定した上で、長期的にマーケティング戦略を立てることを、現在ではブランディングと言う。だから、ウェブブランディングなのだ。

ちなみに、ブランドが何かということについては、表紙のデザインがそっくりで、日本経済新聞出版社から出ている『小さな会社を強くするブランドづくりの教科書』がかなりの良著である。

 

本の内容

話を戻して、この『経営者のためのウェブブランディングの教科書』には、どうゆう準備をして、どのような基準で、ウェブデザインの会社を選定し、付き合っていったらいいのかということが、ウェブデザイン会社の目線で書かれている。

また、ウェブページを構成する上で不可欠な読み物(コンテンツ)の作り方も、この本には書かれている。このやり方は3S6Gとこの著者の方が名付けているのだが、かなり効果的な方法だと思う。長いことウェブページを作り、また研究してきたのだろうなぁということが読み取れる洗練された考え方であった。

以上のようなことを知りたい方は、手にとって損はないと思うが、ブランディングについては、若干不十分と思われるので、先に紹介した『小さな会社を強くするブランドづくりの教科書』も読んだほうがいいと思う。

 

この本をアマゾンで入手してウェブブランディングについて知る

 

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