『曹操言志:史書から紐解く人間曹操』の紹介
いわゆる「正史」「史実」と言われる三国志をもとに、人間としての曹操の人生を追う内容となっております。「正史」「史実」の三国志は初めてだし、「正史」「史実」の三国志がそもそも何なのか分からないという方にも読みやすくなるように、解説を織り交ぜてあります。
既刊の曹操詩集 Kindle版と合わせて読んでいただくことで、「人間曹操」により魅力を感じていただけます。
販売はアマゾンのKindle版のみ、定価は税込み760円(KindleUnlimited及びKindleオーナーライブラリーなら無料)となっております。
決して完全無欠な英雄ではない、ましてや冷徹な悪役でもない人間としての曹操。
「史書」という記録から読み取れる本来の「人間曹操」は、お茶目でかわいらしく、むしろ繊細で弱さを内包した悩める存在。
そんな人間らしい曹操の魅力を知っていただくため、正史における曹操の最低限の事績を記述しつつも、曹操の人間らしさが分かる記録を集めました。
正史三国志は初めてという方にも分かりやすくなるように、「三国志」理解につながる解説も織り交ぜてあります。
また、巻末には、武帝誄、弔魏武帝文など邦訳があまり流布していない文書も収録しました。
以下目次
第一部 乱世の熱血漢
一五五年(永寿元年)出生から黄巾討伐
◆出生と少年時代
◇曹操も子供のころは「あまんちゃん」
◆辣腕の青年官吏
◆初陣~隠遁生活
一八九年(中平六年)董卓による政変と洛陽からの脱出
◆宦官粛清を非難
◇妻卞氏の活躍
◇劉備と一緒だった?
◇地名は「州」単位でイメージすると分かりやすい
◇役職と影響力
一九〇年(初平元年)反董卓連合
◆決起と反董卓連合
◆反董卓連合の末路
第二部 奸雄の根城
一九一年(初平二年)兗州平定と献帝の保護
◆黒山の反乱軍を平定し割拠
◆青州黄巾賊を平定
◆陳宮の叛逆と兗州攻防戦
◇程昱に弱気をたしなめられる
一九六年(建安元年)献帝の保護
◆献帝を迎え入れる
◇曹操の思い出では呂布に圧勝
一九七年(建安二年)宛城の戦い
◆張繍との戦い
◇敗戦で失ったもの
一九八年(建安三年)下邳の戦いと劉備の裏切り
◆下邳の戦い
◇関羽の思い人を横取りする
◆袁術の死と劉備の裏切り
◇劉備にうっかり……
第三部 曹袁二虎
二〇〇年(建安五年)官渡の戦い
◆袁紹との決戦
◇叛乱が起き危機一髪のところを許褚に救われる
◇陳琳の檄文
二〇四年(建安九年)鄴城の戦い
◆官渡の戦いの後
◇鄴城の痛快事
二〇七年(建安十二年)白狼山の戦い
◇あまりの嬉しさに
◇邴原の話
◇大きな功績のあった田疇
◇逸材だった高柔
第四部 南方の墜龍
二〇九年(建安十四年)赤壁の戦い
◆赤壁の戦いという大敗北
◇愛息子曹沖の死
◇華佗の処刑と健康問題
◇荊州の名士を得る
◇劉備と劉琦
二一〇年(建安十五年)求賢令の発布
◇求賢令
◇曹操の解決法 東曹と西曹
◇曹操の解決法 陳矯の話
二一一年(建安十六年)潼関の戦い
◆潼関の戦い
◇西方郷人らによる馬超放逐劇
二一二年(建安十七年)濡須口の戦いと魏公就任
◆濡須口の戦い
◇荀彧逝く
◆魏公就任と魏建国
第五部 寒風と春日
二一五年(建安二十年)張魯討伐
◆張魯討伐
◇陽平関の戦い――険しかった漢中への道のり
◇迷子の曹操軍が幸運で勝利する
◆張魯の降伏と漢中平定
◇蜀親征への意欲
◇気骨漢の劉曄
◇二度目の劉雄鳴
◇成公英にフラれて感動
二一六年(建安二十一年)魏王就任
◆魏王就任と後継者問題
◇王必の奮闘
二一九年(建安二十四年)定軍山の戦い
◆定軍山の戦い
◇楊脩の処刑を手紙でフォロー
◇息子自慢 黄髭よ
二一九年(建安二十四年)樊城の戦い
◆樊城の戦い
◇曹仁を自ら助けに行こうとする
◇夏侯惇に特別な親愛の情を示す
二二〇年(建安二十五年)洛陽に死す
◇関羽の首
◇遺令 穏やかな春の日
三国志という歴史書の解説
◇中国の歴史書・編年体と紀伝体
◇三国志という書物の歴史
◇陳寿の三国志は本当に「実録」なのか
付録・武帝紀に収録されていない曹操著の文書(邦訳文)
選挙令
明罰令
追称丁幼陽令
内戒令
鼓吹令
軍策令
軍令
船戦令
歩戦令
四時食制
参考資料 曹操に深く関係があるが曹操が書いたのではない文章(邦訳文)
曹植著「武帝誄」
曹植著「請祭先王表」
陸機著「弔魏武帝文」